なにしろ、絶滅していないことを示すにはたった一匹のサンプルを見つけるだけで済みますが、絶滅を示すには全ての可能性を調べ尽くしてそれでもなお見つけられなかったということを示さなければなりません(参考:悪魔の証明)。途方もなく広い上に明確な区切りもない海などで、「絶対に存在しない」ということを示すことは陸上よりも難しいことになりそうです。(逆に人知れず絶滅が起きる可能性も高そうです)
今回のニュースも、ある程度の推測を伴って「絶滅したようだ」と言っていますが。調査は大変だったと思います。
ヨウスコウカワイルカは、目がほとんど見えないため、超音波を利用して水中で生活しているが、水上交通で使われるエンジン音により、この超音波が干渉を受けて、エサの摂取に悪影響を与えたとしている。
とありますが、透明度が低い環境に適応したものの、人間により変わってしまった環境についていけなかったんでしょうね。
今までもそしてこれからも、人間による直接的な影響や地球温暖化による間接的な影響によって、地球上のいろんな所で環境が大きく変わってしまうでしょう。今まで安定した環境に済んでいた生き物はその環境に高度に適応していて、それ以外の環境で生きる力が低い可能性が高く、そのような環境に済んでいる生き物は続々と死に絶えていくでしょう。
ところで私の持論なのですが、いくら生物種が滅んでも、その分新しい種が現れたりするだけなので、長い目で見れば地球上の生物の全体としてそんなに大きなインパクトはないと思っています。逆に人間という種という観点から見ると、このような生物環境の不安定さは病気や食糧不足などにつながり、危険です。
だから地球環境の保全という取り組みは、「他の生き物がかわいそう」というセンチメンタリズムからではなく、我々自身や、我々の子孫のために必要だという危機感を持って取り組むべきだと思うのですが、いかがでしょうか?